Q 妙講一座の大意を教えてください。
A 以下を参照してください。
総懺悔文
《本文》 無始已来、謗法罪障消滅、今身より、仏身に至まで、持奉る、本門の本尊、本門の戒壇、本門事行、八品所顕、上行所伝本因下種の南無妙法蓮華経(三唱)
《大意》 いつとも数えることの出来ない遠い昔から御法のみ教えに従わず、積み重ねて来ました罪によって成仏の妨げとなっている過ちをおゆるし下さい。こんにち計らずも御法にお出値いさせて頂きましたからには、仏果を成就させて頂きますまで、誓って御本尊を護持し、御法の教えを頂き、御題目口唱のご信心に精進させて頂きます。本門八品所顕上行所伝本因下種の南無妙法蓮華経
勧請文(御本尊)
《本文》 如来滅後々五百歳始観心本尊抄曰、今本時の娑婆世界は、三災を離れ、四劫を出たる常住の浄土也。仏既に過去にも滅せず、未来にも生ぜず、所化以て同体。是即ち己心の三千具足三種世間なり。
《大意》 お祖師様が観心本尊抄にお示しになってあるところによれば、妙法御題目は久遠本仏のお悟りそのままであり、これを事の一念三千といい、世の中の−切の根本の道理であります。
迹門十四品に、いまだこれを説給ず。法華経のうちに於ても、時機未熟の故か、此本門の肝心南無妙法蓮華経の五字においては、仏猶文殊薬王等に、これを付嘱し給はず。いかに況や其已下をや。但地涌千界を召して、八品を説てこれを付嘱し給う。 この久遠本仏の御悟り、一念三千の法理は、一代仏教の中では法華経、その法華経の中でも本門法華経の中に説き顕され、これを妙法五字の御題目の中に包みこまれて、本化上行菩薩にご付嘱になったのであります。久遠本仏が本化上行菩薩にお手渡し遊ばされる次第を説き明かされたものが法華経本門八品の教えであります。
其本尊の体たらく、本地の娑婆の上に宝塔空に居し、塔中の妙法蓮華経の左右には、釈迦牟尼仏、多宝仏、釈尊の脇士は、上行等の四菩薩、文殊、弥勒等は、四菩薩の眷属として末座に居し、迹化他方の大小の諸菩薩は、萬民の大地に処して、雲閣月卿を見るが如し。十方の諸仏大地の上に処するは、迹仏、迹土を表するが故也。 さて妙法五字の御本尊の功徳を顕し出せば、その中には諸仏諸菩薩の御功徳を含み、宇宙自然法界の一切の功徳を摂めているのであります。故に、妙法五字の御本尊の顕われ給う処、これ寂光浄土であります。
かくのごときの本尊は、在世四十余年にこれなし、八年の間にも、但八品に限る。
本朝沙門、日蓮撰
大慈大悲、大恩報謝。
南無妙法蓮華経このような立派な御本尊は、一代経々いずれのところにも説き示されておらない、ただ、法華経本門八品に顕すところのものであります。
日本の僧侶 日蓮記す
勧請文(三祖)
《本文》 南無久遠本時の嫡弟、二千余回の当初、虚空会上において、塔中直授の相承を蒙り、末法濁世に出現し、本末有善、衆生普施、下種益の大導師、吾高祖日蓮大菩薩。
建長五年癸丑の四月廿八日の朝より、弘安五年壬午の十月十三日の夕にいたるまで、我不愛身命、但惜無上道と、本仏法王の金言にまかせ、諸宗無得道の逆化を成じ、我等が為に、本門の肝心上行所伝の要法を授与せしめ給はんとて、大難四か度、小難数をしらずの、御弘通、大慈大悲大恩報謝。
南無妙法蓮華経《大意》 久遠本仏の御弟子、本化上行菩薩は、今から二千有余年の昔、釈迦牟尼仏が久遠本仏のご本身を御顕わし遊ばされて法華経本門八品の教えを説かれたとき、親しくそのお口より妙法五字の御題目を授与せられました。そして、本仏のご命令を頂いて末法におでましになり、一切衆生救済の導師として日蓮と名乗られます。それよりのち三十年の間、御経文にお示しになってあるように身命を投げ打って、本仏のお思召しどおり教化ご弘通せられ、われわれ衆生に本門の肝心上行所伝の御題目を授与しようとして種々のご苦労をなされました。その大慈大悲、まことにありがたい極みであります。
南無当門勧請の列祖、日朗菩薩、日像菩薩、大覚大僧正、朗源和尚、日霽、日存、日道聖人等、報恩謝徳。
南無妙法蓮華経
南無蓮師後身、本因下種再興正導、門祖日隆大聖人、斯人行世間能滅衆生闇、乃至、畢竟住一乗、大慈大悲大恩報謝。
惣じて十界勧請当位々弥下、案座名字の聖衆威光倍増、法楽荘厳、感応道交、哀愍納受。
本門八品所顕、上行所伝、本因下種の南無妙法蓮華経お祖師様の御跡を正しく承けつがれ、代々教えを伝えられました七人の聖人方のご恩を謝し奉ります。また、お祖師様の御生まれかわりとして、お祖師様の御教えの正しい姿が見失われようとしたとき、再びこれを興し現わされました日隆大聖人の大恩に感謝し奉ります。更には仏様のご在世からこんにちに至りますまで、正しいご信心の在り方を示され、今は御本尊の中に成仏せられておられます先師先達の方々、寂光に於て自受法楽せられますように、謹んで御徳を謝し奉ります。
回向文
《本文》 願くは、受持口唱し奉る、本地本法の功力を以て、法界群霊離苦得益仏果菩提。
門流持経者の面々、異体同心、信行不退、現当二世、心願満足。
如風於空中、一切無障礙。
講内祈願病者の面々、当病平癒、病即消滅。
一天四海、皆帰妙法、後五百歳中、広宣流布、無令断絶。《大意》 どうか、今わたしがこの本門の大法をお持ちし、口唱信行させて頂いて、こおむるところの御功徳を、一切の精霊の追善菩提のためにふり向けて頂きますように。またわたし達、共に信行させて頂く信者一統が異体同心にますます信行ご奉公に励み、現世安穏後生善処の果報が頂け、ことに心身の病いに悩む人があれば、速かにお願いが成就しますようにふり向けて頂きますように。更にはこの御法がいよいよお弘まりになり、世界中の人々がすべて本門法華経の教えを頂いて、ご信心が出来るようにふりむけて頂きますように、御願い申し上げます。
随喜文
《本文》 あゝ有難や、まれに人身を得、適仏法にあへり。
然らずは、生涯衣食の獄につながれ、名利の網にかゝりて、いかでか六道の衢を出む。
如来の大悲にもれぬれば、人間のかひもなく、何を此身の思ひ出とやせん。
あさましや、我身の上をかへりみれば、行ひは牛羊にひとしく、智慧は彌猴に似て三毒強盛なり。
今此下種の大法に、あひ奉らずは、何ぞ、唯信のみにて仏果を成ぜん。
前仏、後仏の中間、無仏世に出たりといへども、上行所伝の妙法流布の時也。
蓮隆両祖のながれをくみ、本化上行の流類、読持此経、是真仏子といはれ。
まことに果報を論ずれば、竜樹天親迦葉阿難にも、すぐれたり。
是全く経力、仏力の、しからしむる処なり。《大意》 まことにありがたいことに、わたしは生まれ難いといわれている人間に生まれて来ることが出来、しかも、その上、なかなかお出値いしにくい久遠本仏の御教えを頂くことが出来ました。
もし、この御教えが頂けねば、せっかくの貴い人間の一生も、ほかの動物と同じように、ただ生きるために命をつかい、はかない名や利欲を追い求めるだけに終ってしまって、いつも苦しい生活ばかりをくりかえさなければならなかったことでしょう。
本仏の大慈悲のお救いからもれたとしますならば、人間としての生きがいもなく、何を人間生活のしるしとして残すことが出来たでしょうか。
つくづくわが身自身をみつめて見ますと、その行ないは牛や羊のような動物とあまり違いもなく、また、その智能も猿と同様に悪がしこくて、邪見ばかりの欲深く、いかり、にくしみの心強く、本当の道理のわからぬ、つたないものです。
いま、この成仏の因となる妙法五字の御題目にお出値いし、本仏の教えを頂かなかったなら、いくら信心があり信念があるといっても、それはただ、盲目信心、目当てのない信心信念で、成仏への大きな道をつゝがなく歩むことは出来なかったでありましょう。
この末法という時代は、すでに前の仏様釈迦牟尼仏はお姿を隠され、後にお出現になるという仏様弥勒仏はうんと遠い将来のことで、現在は仏様のお姿を拝み、直接に御教えを頂くことの出来ない世ではありますが、幸いに、久遠本仏はわれわれの身をあわれみ給うて、本化上行菩薩を御使いとして、身心の良薬である妙法五字をお弘め遊ばされようとされました。
わたしは、この御慈悲によって、お祖師様、門祖日隆聖人の真のお弟子といわれる貴い身分にさせて頂きました。
まことに身の幸せを、昔の竜樹菩薩、天親菩薩やまた、釈尊のお弟子であった迦葉尊者や阿難尊者という方々とくらべてみますと、はるかに勝れております。
これは、まったく御法のおかげ、本仏の大慈大悲の御恵みのいたすところであります。
発願文
《本文》 願くは、生々世々、菩薩の道を行じ、無辺の衆生を度して、永く退転なからん事を、おもふものなり。
南無妙法蓮華経《大意》 御宝前にお誓い申し上げます。この御法を頂きました今より、この一生の間だけではなく、修行を成就して寂光参拝仏果成就をさせて頂きました後も、また、幾度かこの娑婆世界に自ら進んで人間に生まれ変わり、教化折伏の菩薩行に精進させて頂いて、救うても救い尽せぬ迷い苦しむ衆生を救い尽すまでは、一歩もご奉公の道を退かぬ決心であります。
品題
《本文》 妙法蓮華経
序品第一
方便品第二
譬喩品第三
信解品第四
薬草喩品第五
授記品第六
化城喩品第七
五百弟子受記品第八
授学無学人記品第九
法師品第十
見宝塔品第十一
提婆達多品第十二
勧持品第十三
安楽行品第十四
従地涌出品第十五
如来寿量品第十六
分別功徳品第十七
随喜功徳品第十八
法師功徳品第十九
常不軽菩薩品第二十
如来神力品第二十一
嘱累品第二十二
薬王菩薩本事品第二十三
妙音菩薩品第二十四
観世音菩薩普門品第二十五
陀羅尼品第二十六
妙荘厳王本事品第二十七
普賢菩薩勧発品第二十八
妙法蓮華経巻第八《大意》
妙法蓮華経から生れたる序品第一
妙法蓮華経から生れたる方便品第二
妙法蓮華経から生れたる譬喩品第三
妙法蓮華経から生れたる信解品弟四
妙法蓮華経から生れたる薬草喩品第五
妙法蓮華経から生れたる授記品第六
妙法蓮華経から生れたる化城喩品第七
妙法蓮華経から生れたる五百弟子授記品第八
妙法蓮華経から生れたる授学無学人記品弟九
妙法蓮華経から生れたる法師品第十
妙法蓮華経から生れたる見宝塔品第十一
妙法蓮華経から生れたる提婆達多品弟十二
妙法蓮華経から生れたる勧持品弟十三
妙法蓮華経から生れたる安楽行品第十四
妙法蓮華経から生れたる従地涌出品第十五
妙法蓮華経から生れたる如来寿量品第十六
妙法蓮華経から生れたる分別功徳品第十七
妙法蓮華経から生れたる随喜功徳品第十八
妙法蓮華経から生れたる法師功徳品第十九
妙法蓮華経から生れたる常不軽菩薩品第二十
妙法蓮華経から生れたる如来神力品第二十一
妙法蓮華経から生れたる嘱累品第二十二
妙法蓮華経から生れたる薬王菩薩本事品第二十三
妙法蓮華経から生れたる妙音菩薩品第二十四
妙法蓮華経から生れたる観世音菩薩普門品第二十五
妙法蓮華経から生れたる陀羅尼品第二十六
妙法蓮華経から生れたる妙荘厳王本事品第二十七
妙法蓮華経から生れたる普賢菩薩勧発品第二十八
妙法蓮華経全八巻二十八章
日月偈文
《本文》 日月の光明の能諸の幽冥を除くが如く、斯人世間に行じて、よく衆生の闇を滅し、無量の菩薩をして、畢竟じて一乗に住せしめん。
是故に、智あらんもの、此功徳の利を聞て、我滅度の後に於て、斯経を受持すべし。
是人仏道に於いて、決定して疑ひ有ことなし。《大意》 太陽や月の光が下界を照らして一切の暗黒を除くように、法華経本門の肝心妙法五字の功徳は一切衆生の心の闇を照らし、煩悩を除く。ここに本化上行菩薩は、久遠本仏よりこの妙法五字の御題目を授けられ、仏勅によって滅後末法に御出現になり、御法の御功徳を名乗りとして、日蓮と称し、未法悪世の凡夫の心の闇を除くために、法華経本門の大法を勧め、ご弘通されたのである。
それだからお祖師様のご教導を頂いて、法華経の行者となったものは、先に説かれた広大無辺の妙法経力の功徳をよく心に銘じて、滅後に於いて信行につとめよ。
信者として終生大法を受持し、信行に精進するならば、この人の成仏得道は決定して疑いないところである。
久遠偈
《本文》 南無久遠実成。釈迦牟尼如来。証明法華。多宝仏塔。十方分身。三世諸仏。上行。無辺行。浄行。安立行。千世界。微塵等。諸大菩薩。普賢。文殊。薬王。弥勒。宿王華。常精進。萬八萬八十萬億。十方世界。一切菩薩。舎利弗。目連。迦葉。阿難。千二百萬。二千。十方世界声聞。緑覚。乃至。三国伝灯。法華弘通。大師先徳。一乗要付。末法唱導。蓮師大士。隆師聖人。代々祖師。回向供養。妙法口唱。講讃功徳。倍増法楽。威光増益。護持妙法。利益衆生。大梵天王。釈提桓困。自在大自在。日月明星。諸星宿等。四大天王。十羅刹女。天竜八部。地神水神。圓宗守護。大小諸神。回向供養。妙法口唱。講讃功徳。倍増法楽。威光増益。護持妙法。利益衆生。天長地久国土安穏。諸檀施主。息災延命。恒受快楽。所志生霊等。面々各々。出離生死。証大菩提。乃至。法界平等利益。
《大意》 つつしんでお敬いいたします。あらゆる仏の根本でまします久遠本仏釈迦牟尼如来、法華経を真実であると証明されるためにお出現になられた多宝如来、釈迦牟尼仏の分身として、十方の世界に、過去・現在・未来に亘ってお出現になるもろもろの仏様方、また、久遠本仏の御直弟として、仏滅後に、仏勅を頂いて妙法をご弘通される本化上行菩薩を始めとする地涌の菩薩方、あるいは普賢・文殊・薬王・弥勒という迹化、他方の菩薩方、またこんにちお出現になった釈尊のお弟子である舎利弗・目連・迦葉・阿難等の主立った方々を始めとする声聞といわれるお弟子方、また、縁覚といわれるお弟子方、これらの在世に法華経を聴聞された方々を、勧請します。なお、ついで勧請いたしますのは、印度・中国・日本とそれぞれの国に於いて、仏様の御教えを護り、法華経をご弘通された方々、ことに末法に於いて正しく上行要付の御遠目をご弘通された高祖日蓮大士、更に門祖日隆聖人等、歴代の先師方であります。これら勧請し奉る方々の回向供養のために御法味を捧げ、その御功徳をお慕いいたします。ますます御法の御楽しみを増され、御力を強められて、御法を護持され、われわれ衆生にこ冥加を与えられますように。妙法守護の大梵天王、釈提桓因、自在大自在、日・月・明星・諸星宿等、仏法守護の四大天王、行者守護の十羅刹女、天竜八部、地神・水神等、法華円宗守護の大小の神々を勧請いたします。これら勧請し奉る方々の回向供養のために御法味を捧げ、その御功徳をお慕いいたします。ますます御法の御楽しみを増され、御力を強められて、御法を護持され、われわれ衆生にご冥加を与えられますように。いま、わたしがお唱えしました妙法口唱の功徳をもって、天も地も永しえに栄え、わが住む世界が平和になりますように。いま、わたしがお唱えしました妙法口唱の功徳をもって、すべてのご信者、こととにはお講願主の方が、何の災いも受けず、長寿を保って、つねに御法の恵みをいただかれますように。わたしが志し、弔うところの精霊も、いまわたしがお唱えしました妙法口唱の功徳によりまして、苦しみから免がれ、成仏の果報があたえられますように。法界一切有縁の方はもとより、無縁の精霊すべてに、いまお唱えした妙法口唱の功徳が与えられますように。